この新しいツールは、UPMの各部門、UPM Energy、UPM Responsibility、UPMのIT部門とデータマネージメントオフィス(DMO)、そして社外のIT専門家が緊密に協力して開発しました。また、実用性を確認するため、UPMの別の部門によるテストも行いました。
「企業にとって、自社のCO2 排出量に関する詳細なデータを得ることの重要性はより高まっていますが、それは当社のお客様にとっても同様です」と、UPM Communication Papersのエネルギー担当ディレクター、Petri Hyyryläinen氏は述べています。「お客様から固有のカーボンフットプリントに関するデータの拡充を求める声は高まっており、そのデータを商品開発に活用することもできます」。
Hyyryläinen氏によると、このツールは排出量に関するデータをリアルタイムで提供し、同データを全ての関連ステークホルダーに報告するシンプルなシステムを提供し、各部門やサイトを支援しています。
「モダンなツールで、使用方法も簡単です。たとえばデータ入力は、Excelファイルのデータをオンラインシステムにコピー&ペーストするだけです」と同氏は説明しています。「もちろん、だからといって当社がこれまで手をこまねいていたわけではありません。私たちは長年、自社の排出量を絶えず把握し、報告してきました。このツールは、そのプロセスの透明性と一貫性を高めただけです」とHyyryläinen氏は述べています。
エネルギー消費量とCO2排出量を同じツールで報告
このツールを使うことで、当社の全生産拠点がエネルギー消費量(燃料、熱、電力)とCO2排出量(トン)を月次で報告できるようになりました。2030年までにCO2排出量を2015年比で65パーセント減少させるという目標の達成に向けて予定通り進めるため、2015年以降の関連データを全て遡ってツールにアップロードしました。
UPMのReporting & StandardsチームのJarkko Hukkanen氏は、約1年半前のプロジェクト開始時からこのツールの開発に関わってきました。
「この新規ツールが開発される前は、各部門が様々なシステムやツールを使用していました。この新たなツールを導入したことで、1つの統一フォーマットで全てのデータが1箇所に統合されました。UPM全体の観点から見ると、より簡単に情報にアクセスし、比較できるようになりました」とHukkanen氏は述べています。
「自動化を通して報告プロセスを迅速化することで、このツールは付加価値を生み出しています。また、手作業と人的ミスも削減できます」と、UPM Data Management Officeのデータプラットフォーム責任者、Jukka Laitinen氏は述べています。