UPM Timberの新しい環境製品宣言(EPD)では、乾燥製材1立方メートルごとに計算しており、UPMの製材工場と木材グレードのすべてを対象としています。EPDは、標準化され、第三者機関により検証された、国際的に比較可能な方法で、原材料の生産から製品の最終廃棄まで、UPMの木材の環境影響を報告しています。
製品のカーボンフットプリントなどの環境影響と指標は、建築資材の選定にあたって、ますます重要な基準となっています。
「EPDは、弊社の活動と製品に関してお客様とパートナーに透明性の高い情報を提供しています。そのため、お客様は情報に基づいて様々な製品を選択できるようになります。お客様はEPDを使って、自社の事業や建物などの環境への影響を評価することができます」と、UPM Timberの品質環境マネージャーのEeva Laaksonenは述べています。
木材のカーボンフットプリントおよびその他の環境への影響に関する情報
EPD報告は、ライフサイクル評価(LCA)(ISO 14040および14040)と、国際規格(ISO 14025および15804)に基づいています。これらの規格は、建設用製品の環境宣言を作成する際に指針となるものです。UPM TimberのEPDに準じた木材のライフサイクル評価は、製品段階、製造段階、使用済み段階のほか、再利用、リサイクル、再生の可能性を対象としています。
「そのため、製品の環境への影響は、とりわけ森林からの木材原料調達と製材工場への輸送、製材し顧客への輸送、および解体、廃棄の影響などを考慮に入れています。」と、UPM北欧研究センター研究員のMiia Liikanenは述べています。
EPDには、UPM製材品のライフサイクルを通じて環境への影響を13以上の異なる影響カテゴリーに分けて記載されています。結果として特に、気候変動、富栄養化、酸性化、オゾン層破壊などに対する製品の影響のほか、化石燃料源、鉱物、金属の枯渇に対する製品の影響が盛り込まれています。
建設における気候目標が一般的になるにつれ、お客様は現在、気候変動に対する製品の影響に特に関心を示しています。木材は生物起源炭素を蓄える再生可能な資材で、さまざまな用途で化石原材料の代替として使用できます。EPDには、木材のライフサイクルの各段階における生体起源のガス排出量と化石由来の温室効果ガス排出量が明記されています。
「製材工場から製品がお客様に出荷される時点では、製造時に生成された化石由来の温室効果ガス排出量よりも、生体起源の二酸化炭素がかなり大量に蓄えられています。製品には、生体起源の二酸化炭素が蓄えられていますが、廃棄木材がエネルギーとして利用される場合などに大気に放出されます」と、Liikanenは指摘します。
継続的な排出量削減を目指して
UPM Timberの環境製品宣言は5年間有効です。環境製品宣言は、国際EPDシステムのウェブサイトで公開されており、UPM Timberのウェブサイトからも簡単にアクセスできます。
UPM Timberは、特にサステナビリティの分野で業界のパイオニアを目指しています。化石燃料を使わない生産を通じて、UPM Timberの排出量はすでに業界最低レベルを達成しています。EPDにより、弊社は事業をさらに改善することができます。排出量削減は、お客様の事業と製品のカーボンフットプリント削減につながるため、お客様にもメリットがあります。
「EPDにより、製品のライフサイクルにおいて、環境への影響をさらに低減できる段階があるか、どこかを特定できます。弊社ではすでに、低排出鉄道とLNG輸送を利用して出荷していますが、お客様先への製品輸送には、まだ排出量を削減する余地があります。小さな選択が違いを生み出すのです」と、Eeva Laaksonenは締めくくりました。
文:Janne Suokas