Story | 10/05/2022 14:32:25 | 2 min 読み取り時間

UPM Korkeakoski製材工場がヒートポンプ技術へ切り替え

ヒートポンプシステムを使用して、木材の乾燥炉の排出物を削減しエネルギー消費量も改善できます。同時に乾燥炉の能力も向上します。

「弊社は、特にサステナビリティという点で製材産業の世界的なリーダーになりたいと考えています。この新しいヒートポンプ技術は弊社の目標達成に役立っており、投資を十分に回収することができます」と、UPM Timberで責任者を務めるAntti KoulumiesはUPM Korkeakoski製材工場の新たなAmbiHeatヒートポンプシステムについて説明します。

このモジュール式のAmbiHeatヒートポンプシステムの熱容量は1 MWで、将来的には2 MWのヒートポンプ工場へと拡張することも可能です。

従来、製材工場では木材を乾燥させるのに樹皮から生み出した熱を使用していました。乾燥炉内の空気は非常に高温で湿度も高く、エネルギーを多く消費します。

「最もエネルギーを消費しているのはどこかと考えました。そしてそれは乾燥の工程だったのです。残念ながら熱回収システムがあるにもかかわらず、排熱のほとんどが失われていました。この排熱を利用できないだろうかと考えていました。その時に出合ったのがCalefa社でした」とKorkeakoski製材工場のディレクターであるSami Kotivuoriは語ります。

Calefa社のCEOであるPetri Vuori氏(左)がKorkeakoski製材工場を訪れ、製材工場のディレクターであるSami KotivuoriとUPM Timberの責任者であるAntti Koulumiesに会う。

排出量の削減と生産の効率化

来年の夏からKorkeakoski工場では2基の乾燥炉から出る52~60度の排熱を、AmbiHeatヒートポンプシステムで利用する予定です。この排熱は製材工場で効率よく100℃以上にまで熱せられます。ヒートポンプ工場によって、燃やされる木材チップの量を減らすことができます。さらに、冬の寒い時期であっても乾燥炉の能力を向上させることができるのです。

「寒い時期には熱量が足りず、乾燥炉が生産のボトルネックとなっていました。ヒートポンプ工場がこの工程の効率を上げてくれるでしょう」とKotivuoriは話します。

Calefa社のAmbiHeatヒートポンプシステムは、高度なヒートポンプ技術によって、業界で求められている100℃以上という並外れた温度をさまざまな熱源から作り出すことができます。

「このプロセスでは非常に高い温度が必要であり、これまではそれを実現できるような技術はありませんでした」とKotivuoriは述べています。国内のサプライヤーであることから、Calefa社の高い信頼性が投資への判断材料になりました。

「国内で製造を行うことは責任であり、それはまた弊社の価値観の一部でもあります。さらに、1社のサプライヤーにすべての責任を持って担当してもらうことで、新しい技術の導入がより簡単に行えるという面もあります」とKotivuoriは付け加えます。

Calefa社はリモートでヒートポンプシステムの制御と最適化を行います。

 

UPMがサステナビリティにおける新たなベンチマークを設定

新しいヒートポンプシステムの購入は、UPM Timberが排出量ゼロを達成するための大きな変革の一部です。製品の生産方法、原材料の由来、ライフサイクルについて、透明性を求める声がますます世界的に高まることでしょう。

「木で作られていればそれで良い、とこれまでは考えられていました。製材業界内でも、排出物の量やその他のサステナビリティの要素について差別化を図り、水準を高めていくことが必要であると考えています」とAntti Koulumiesは話します。

業界における新たなベンチマークを設定し、同時に他の業界に対してもより高いサステナビリティを実現することが目標です。

「これこそが前進するための唯一の道であると考えています。すべての業界で、できる限りのことを実施する必要があり、すばやく実行できるかはビジネスリーダーにかかっています。弊社がパイオニアになることで、フィンランドの他の製材工場も引き込むことができます」とKoulumiesは締めくくります。

Calefa社のCEOであるPetri Vuori氏も同意します。

「フィンランドでは機械を用いた林業が非常に大きな産業となっていて、木材の乾燥炉には非常に多くのエネルギーが使用されています。乾燥炉からの排熱利用には、計り知れないほどの可能性が秘められています。UPM Timberが将来に向けた方向性を示し、業界全体に向け新たな基準を設定することは非常に重要です」とVuori氏は述べています。

 

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